写真撮影

花火写真の撮り方講座〜第4回 レタッチのコツ〜

おはこんばんちは、おーわ(@mof_mof08)です。

日本各地では年間を通じてたくさんの花火が打ち上がります。

そんな美しい花火をぜひとも写真撮影してみたいという方もたくさんいらっしゃるかと思う一方で…

  • なんだかすごく難しそう
  • 思ったような綺麗な写真が撮影できない

と感じている方も少なからずいらっしゃるかなと思います。

今回はそんな美しく魅力あふれる花火の撮り方について、全4回の講座形式でお届けしていきます。

最終回となる第4回は綺麗な写真へと仕上げるためのレタッチ術を紹介していきます。

レタッチをする前に

さて、花火写真をレタッチするにあたって1つ重要なことがあります。

それは…

 

 

 

撮影で失敗した写真は救い出せない

 

 

 

ということです。

レタッチする最大の目的はその写真の魅力を最大限に引き出すことでより伝わる写真に仕上げること尽きますが、それはあくまでも素材となる写真がしっかりと撮れていることが前提となります。

残念ながらどんなに優れたレタッチ術をもってしても、露出オーバー(白飛び)やフレームアウトといった準備や撮影において起きたミスをカバーすることは基本的にできません。

料理と同じく、良い素材でなければ真の意味での良い味は得られないということを頭の片隅に置いた上でレタッチに挑むようにしましょう。

※撮影における主な失敗例は以下の記事を参考にしてみてください

花火写真の撮り方講座〜第3回 撮影のコツと失敗例〜おはこんばんちは、おーわ(@mof_mof08)です。 日本各地では年間を通じてたくさんの花火が打ち上がります。 そんな美し...

基本的なレタッチフロー

花火写真における基本的なレタッチの流れとしては以下の通りとなります。

  1. 完成形のイメージを持つ
  2. プロファイルを設定する
  3. 階調を調整する
  4. ホワイトバランスを調整する
  5. レンズ補正を適用する
  6. トリミングを行う

副題などが入る場合は段階フィルターなどによる処理が必要となる場合があります。(本記事では割愛させていただきます)

特に階調の調整(主に露光量、ハイライト、シャドウ)とホワイトバランスの調整は重要になってきますので、ぜひとも押さえておきたいところです。

レタッチを適切に施すことによって、より完成度の高い花火写真へと近づけることができますので、ぜひチャレンジしていただければと思います。

今回は以下の写真を例にレタッチを行っていきます。

なお、本記事ではAdobe Photoshop Lightroom(以下Lightroom)を使ったレタッチについて解説してまいります。

完成形のイメージを持つ

レタッチを施すにあたって完成形をしっかりとイメージするようにしましょう。

第1回 撮影の準備でも紹介したように、花火写真を撮影する最大のミッションは「伝えること」に他なりません。

今回の写真の例でいくと、完成形のイメージ(伝えたいこと)は…

  • 花火そのものの美しさを伝える
  • 視界いっぱいに花火が広がる魅力を伝える

という2点になります。

そのために必要な作業としては…

  • 花火の色をしっかりと出す
  • 花火が視界いっぱいに広がる構図にする(必要に応じてトリミング)

となります。

花火写真で伝えたいことは個々で変わってきますが、写真撮影をする目的をいま一度思い出した上でレタッチに挑むようにしましょう。

プロファイルを設定する

写真の雰囲気を決めるためにプロファイルを設定していきます。

プロファイルを設定することで、写真の大まかな色合いが決定されます。

今回はPENTAX K-1 Mark IIにプリセットされたプロファイルの中で最も自然に近い色合いが出しやすい「カメラ ナチュラル」を選択します。

カメラの機種によってはLightromにプロファイルが登録されていないことがあります。

仕上げの雰囲気については好みによるところがありますので、ご自身がイメージする写真に合わせて適宜選択してください。

どれを選択すれば良いか分からないという方は、以下を基準にするとよろしいかなと思います。(Adobeプリセットの場合)

  • コントラスト高め:Adobeカラー
  • コントラスト低め:Adobe標準

ビビッドや風景といった名の付くプロファイルは仕上がりのコントラストが高くなりすぎるすぎる傾向にあるため、写実的な方向に仕上げるのであれば個人的には避けた方がよろしいかなと思います。

階調を調整する

続いて、写真の明るさやコントラスト(階調)を整えていきます。

Ligghtroomの階調補正は全部で6つの項目があり、それぞれ以下の役割があります。

項目 概要
露光量 写真全体の明るさを調整する
コントラスト 写真全体の濃淡を調整する
ハイライト 写真の中で明るい部分のみを調整する
シャドウ 写真の中で暗い部分のみを調整する
白レベル 写真の中で特に明るい部分(ハイエストライト)を調整する
黒レベル 写真の中で特に暗い部分を調整する

特に露光量ハイライトシャドウの項目は花火写真のレタッチにおいて重要な役割を果たします。

露光量を調整する

写真全体の明るさを整えていきます。

写真全体が暗いようであればプラス補正、明るい場合にはマイナス側へ補正していきます。

今回の例では写真全体が暗いため、露光量を+1.50へ補正していきます。

露光量を調整することで、写真全体の明るさを整えることができます。

露光量をプラス補正する場合、持ち上げすぎると暗部にノイズが乗っかってしまう場合があります。

特にダイナミックレンジが狭いカメラ(イメージセンサーの小さなカメラ)を使って撮影した写真をレタッチする場合には注意が必要です。

また、プラス補正をするにあたっては花火が露出オーバーしないように気をつけましょう。

ハイライトを調整する

写真全体のうち、明るい部分(ハイライト)の調整を行っていきます。

花火の色を出すための肝となる作業で、花火が明るい(白っぽい)場合にはマイナス側に、暗い場合にはプラス側に補正していきます。

今回は花火の一部が白っぽくなっているため、ハイライトを-90に補正します。

ハイライトを調整することで、花火の色をしっかりと出すことができます。

ハイライトを下げ過ぎると花火の輝きに欠けてしまう場合がありますので、適宜調整してください。

なお、露出オーバー(白飛び)した写真については本機能を使っても補正することはできません。

シャドウを調整する

シャドウを調整していきます。

花火写真の撮影において、シャドウは大きく2つの役割を果たします。

  • 暗めの花火の明るさを持ち上げる
  • 副題の明るさを持ち上げる

今回はやや暗めの地面と高い花火の明るさを持ち上げるため、シャドウを+70に補正していきます。

地面と高い花火の部分の明るさが持ち上げられていることが見て取れるかと思います。

シャドウを上げ過ぎると暗部にノイズが乗りやすくなります。

特にダイナミックレンジが狭いカメラ(イメージセンサーの小さなカメラ)を使って撮影した写真をレタッチする場合には注意が必要です。

ホワイトバランスを調整する

花火の色味を綺麗に出すためにホワイトバランス(色温度、色かぶり補正)を調整します。

第2回 カメラの設定の中でも触れたように、打ち上がる花火によって色味が大きく異なるため、写真の完成度を高めるためにはレタッチが必要不可欠となってきます。

ホワイトバランスには「色温度」と「色かぶり補正」という二つのパラメーターがありますが、調整するにあたっては以下を基準にすると自然な色味へ近づけることができます。

パラメータ 備考
色温度
  • 写真が青っぽい:プラス補正
  • 写真が黄色っぽい:マイナス補正
色かぶり補正
  • 写真が緑っぽい:プラス補正
  • 写真が赤っぽい:マイナス補正

今回はカメラの設定でおおむね自然な色合いを実現できたため、ここでは変更を加えません。(色温度:3700、色かぶり補正:+10)

ホワイトバランスを調整することで、花火の色味をしっかりと出すことができます。

撮影の段階でホワイトバランスの設定をある程度追い込んでおくと、レタッチの際の手間を減らすことができます。

レンズ補正を適用する

レンズによって生じる歪みや周辺減光を補正するため、レンズ補正を適用していきます。

花火は形が非常に重要な被写体となってきますが、レンズの歪み(歪曲収差)によって構図の四隅を中心に歪みが生じることがあります。

今回はLightroomに登録されたレンズプロファイルを適用するため、[プロファイル補正を使用]にチェックを入れています。

プロファイル補正を適用した際、レンズプロファイルが自動的に選択されない場合があります。

また、レンズによってはプロファイルが登録されていない場合があります。

特に広角系のレンズを使用した場合は歪みによる影響が大きくなりやすいため、忘れずにレンズ補正を行っておきましょう。

広角系レンズを使って近距離かつ極端なアングルで撮影するとパースによる歪みが発生します。

可能であれば撮影の段階で防ぐことをおすすめします。

>> 広角レンズで花火を撮影するときに起こる歪みの原因と対策方法

なお、パースによって発生した歪みはレンズ補正だけでは対応できないため、別途ゆがみを補正する必要があります。

トリミングを行う

必要に応じてトリミングを行います。

花火は打ち上がる高さや幅に多少のムラがあるため、写真全体を見たときにアンバランスな構図となることが多々あります。

また、SNSへ掲載する場合には各コンテンツに適した比率に合わせることで、より花火の魅力が伝わりやすくなるというメリットもあります。

今回はそのままの構図で視界に広がる花火が十分かつバランスよく表現できているため、トリミングの処理は省略しています。

トリミングを行うことで写真全体の構図を整えたり、各種SNSへの掲載に適した比率にすることができます。

参考までにSNSへ花火の写真を掲載する場合、トリミングを行う際の比率は個人的に以下がおすすめです。

SNS 縦構図 正方形 横構図
Twitter 4:5 不向き 3:2もしくは16:9
Instagram 4:5 1:1 5:4

Twitterの場合はサムネイル、Instagramの場合はスマートフォン(縦向き)で閲覧されることを意識したトリミングをすると見栄えが良くなります。

合成の活用と注意点

花火写真においては合成(コンポジット)が役立つことがあります。

特に次々と花火が打ち上がるスターマインで1枚撮りをすると、花火の色合いによっては露出オーバーすることが多々あります。(第3回 撮影のコツと失敗例でも触れていますが、特に中間色や銀冠といった明るい花火では露出オーバーのリスクが高い)

そのような場合は1シーンを複数枚に分けて撮影した後、Photoshopなどを使用して合成することで1枚の綺麗な花火写真として仕上げることができます。

ただし、むやみやたらに合成すると花火の魅力が伝わらなくなってしまうので、ご利用は計画的に…。

※花火写真における合成の方法(Photoshop)は以下の記事をご覧ください

花火写真を合成する(重ねる)方法と注意点皆さん、おはこんばんちは。おーわ(@mof_mof08)です。 花火写真の撮影において「狙っていたシーンが中途半端に欠けてしまった...

まとめ

本記事では花火写真におけるレタッチ術について紹介してまいりました。

改めてざっくりまとめると以下の通りとなります。

  • レタッチは花火写真の魅力を最大限に引き出すツール
  • 特に階調(露光量、ハイライト、シャドウ)とホワイトバランスの調整が肝
  • 露出オーバーや準備・撮影でのミスはレタッチで対処できない

レタッチを施すことで花火写真の完成度をより高め、その魅力がより伝わりやすくなりますので、ぜひとも実践していただければと思います。

最後までご覧いただき、ありがとうございますm(__)m