おはこんばんちは、おーわ(@mof_mof08)です。
日本各地では年間を通じてたくさんの花火が打ち上がります。
そんな美しい花火をぜひとも写真撮影してみたいという方もたくさんいらっしゃるかと思う一方で…
- なんだかすごく難しそう
- 思ったような綺麗な写真が撮影できない
と感じている方も少なからずいらっしゃるかなと思います。
今回はそんな美しく魅力あふれる花火の撮り方について、全4回の講座形式でお届けしていきます。
第3回は撮影のコツとよくある失敗例について紹介していきます。
花火写真を撮影するコツ
花火写真の撮影における基本的なコツは以下の通りです。
- 打ち上がると同時にシャッターを開ける
- 花火が打ち上がっている間はシャッターを開け続ける
- 花火が消えたらシャッターを閉じる

花火の写真はとにかくシャッターを切るタイミングがとても重要になってきます。
花火までの距離が近い場合、シャッターを開けるタイミングは花火玉が筒から出たときの音や光に合わせると良いでしょう。(音楽付きの花火であれば曲の節目も参考になります)
単打ちの場合

単打ち花火は先で解説したコツさえつかめれば撮影しやすいかと思いますが、撮影に当たっては注意点もあります。
それは必要以上に重ねすぎないということです。
たくさんの花火が高速で打ち上がるスターマインと比較すると単打ち花火はフレーム内が寂しくなる傾向がありますが、重ねすぎると本来の花火の意図から大きく外れてしまいます。

こちらの花火は本来であれば単打ちと対打ちで構成されていたものですが、両方を重ねてしまったことで伝えたいことが伝わらなくなってしまっています。
単打ち花火はあくまでも1発に魅力は込められているんだということを忘れないようにしましょう。
スターマインの場合

スターマインの場合も基本的に撮影のコツは大きくは変わりませんが、花火の「組」が出てくるタイミングでシャッターを切るのが最大のポイントとなってきます。
スターマインは連続的に花火が打ち上がってくる特性上、シャッターの開け閉めをするタイミングが分かりにくいですが、たいていのスターマインには綺麗にまとまった「組」が何度か登場します。
たとえばこちらは一つのプログラム中で打ち上がった花火ですが、いくつかの「組」が登場していることが見て取れるかと思います。



花火の「組」を見極めることが、スターマインを綺麗に撮影する最大のコツです。
ただ、実際のところスターマインは煙火店さんによって魅せ方が大きく異なり、下から上へ順繰りに打ち上げてくる煙火店さんもあれば、核となる大きな花火に合わせて低い花火を合わせてくる煙火店さんもあります。
撮影に慣れないうちはたくさんの花火をじっくりと見つつ、煙火店さんごとのクセを知ることが綺麗に撮影するためのカギとなってきます。(第1回 撮影の準備で花火を知ることが大切だと述べた理由はこのあたりにあります)
花火写真の撮影における主な失敗例と対策
花火写真の撮影における主な失敗例としては以下のようなものがあります。
- 芯抜け
- トラ切れ
- 重ねすぎ
- ブレ
- フレームアウト
- 煙まみれ
- 露出オーバー(白飛び)
主に機材やロケーションの選定といった準備段階でのミス、シャッターを切るタイミングなどが原因で起こる撮影段階でのミス、花火に対する知識の不足が原因となってきます。
このあたりはどうしても花火を観覧・撮影する経験が少ないと起きやすいので、経験値を増やしつつ花火の知識を得るというのが最大の対策でしょうか。
芯抜け

シャッターを切るタイミングが悪いと起きる失敗例の一つ。
適切なタイミングでシャッターを切ると花火の爆発した中央部付近が明るくなるのですが、爆発よりも後でシャッターを切ってしまうと芯抜けが起こります。
芯抜けはいわば物語の核心部分を失ったようなもので、花火の写真としては締まりのない絵となってしまいます。
対策としては花火が空中で開く前にシャッターを切ることに尽きます。(スターマインの場合はタイミングが読みにくいこともあるので注意)
トラ切れ

先の芯抜けと同じく、シャッターを切るタイミングが悪いと起きる失敗例の一つ。
スターマインでは高く打ち上がる花火とセットで低い花火(トラ)がよく打ち上がりますが、シャッターを切るタイミングを逃すと低い花火の一部が途切れてしまうことがあります。
低い花火(トラ)の光跡が途切れてしまうと写真全体として中途半端な作品となってしまい、花火の魅力が伝わりにくくなってしまいます。
対策としては場数による慣れと、煙火店さんの打ち上げ方を知ることの二点でしょうか。
重ねすぎ

こちらもシャッターを切るタイミングが悪いと起きる失敗例の一つです。
単打ちの花火などは構図内のボリューム感に欠けやすいため、写真上ではとにかく派手に見せたいという一心でたくさんの花火を収めようと考えがちです。
しかしながら、不自然な重なり方をしてしまうと花火がもつ本来の魅力が伝わりにくくなってしまいます。
シャッターを長く開けすぎないこと、花火の意図をしっかりと見極めることが対策となります。
レタッチで複数の花火を合成する手法がありますが、花火の魅力を伝えるにあたっては時系列を無視した合成は避けるのが望ましいです。
ブレ

強風や三脚の振動により、花火の光跡にブレが起こってしまうことがあります。
通常、花火の写真はピントがしっかりと合っていれば綺麗な光跡として写ります。
ところが三脚が振動を拾ったり、風が強い影響によりブレが発生すると花火の光跡が綺麗に出ず、波打ったような感じになってしまうことがあります。
対策としては板敷の席など振動が伝わりやすい場所を避ける、風の強い日を避けるといったところになります。(後者は運ゲー要素が強いので避けようがないことが多い)
フレームアウト

画角(焦点距離)の選択、カメラのアングルや向きをを誤ったときに起こります。
花火の観覧や撮影にあまり見慣れないうちは、打ち上げ場所や大きさを見誤ることが多々あるかと思います。
※日本で見られる花火の大きさについては以下の記事も参考にしてみてください

対策としては画角が広い(焦点距離が短い)レンズを使用する、打ち上げられる花火の情報(大きさ、幅、場所)を事前に確認する、カメラのアングルや向きを修正するといったところになります。
ただしフレームアウトについては何が何でも失敗というわけではなく、花火の上端部や両端をあえてフレームアウトさせることで花火の規模を誇張するという表現方法もあります。
煙まみれ

風向きや風量が原因で花火が煙まみれになってしまうことがあります。
花火は古来より「煙火」とも言われるがゆえ、多少の煙であれば絵になります。
しかしながら、さすがに花火が見えないほどの煙にまみれてしまうと、写真を通じて花火の良さが伝わりにくくなってしまいます。
花火写真の撮り方講座〜第1回 撮影の準備〜でも触れていますが、なるべく風上を撮影場所に選ぶようにしましょう。(海上花火など一方向でしか撮影できない場所では避けられない場合もあります)
露出オーバー(白飛び)

花火写真の失敗としてはおそらく最も多く、そして非常に厄介なのが露出オーバー(白飛び)じゃないかと思います。
花火は非常に明るい被写体で、特に中間色(パステルカラー)や銀冠といった特に明るい花火や低い花火(トラ)は露出オーバーのリスクが高い傾向にあります。
ひとたび露出オーバーを起こすと、その部分についてはレタッチでも復元はできなくなります。(詳しくは第4回 レタッチのコツで解説しています)
主な対策としては絞りを絞る、NDフィルターを取り付けるといったところになります。

【コラム】花火写真の撮影練習がしたいときは…

花火写真の撮影テクニックを上達させたいという場合には動画コンテンツの活用が一つの手です。
動画コンテンツを活用した撮影の練習メリットとしては以下のような点が挙げられます。
- シャッターを切るタイミングを
- 繰り返し練習できる
- その花火大会の特徴を知ることができる
失敗例の紹介の冒頭で花火写真の撮影には経験値が必要だというお話をしましたが、スナップ写真などと異なり、花火を毎日のように撮影して経験値を積むのはあまり現実的ではありません。
動画を活用して撮影の練習することで、特にシャッターを切るタイミングやその花火大会の知識を得ることができるのでおすすめです。

まとめ
花火撮影のコツと失敗例について紹介してまいりました。
ざっくりまとめると以下の通りとなります。
- 花火が打ち上がるタイミングでシャッタを開け、消えたところでシャッターを閉じる
- シャッターを切るタイミングが非常に重要
慣れないうちはなかなか難しく感じてしまいますが、数をこなしていくうちに徐々に慣れてくるかと思いますので、ぜひチャレンジしてみてください。
最終回の第4回はより完成度の高い写真へ仕上げるためのレタッチのコツについて解説していきます。
- 第1回 撮影の準備
- 第2回 カメラの設定
- 第3回 撮影のコツと失敗例(本記事)
- 第4回 レタッチのコツ